新しい半導体薄膜である「タングステン(W)原子内包シリコン(Si)クラスター(WSin, n: 6~12)をランダムに配列したアモルファスシリサイド膜(WSin膜)」には、Cuに対する特異的に優れた拡散防止機能がある。本研究では、系統的な研究でWSin膜のCuの拡散防止機構に対する確証を得ると共に、材料組成nの選択による拡散制御を可能にした。特にn=8と12がCu拡散バリア膜として有効であることを明らかにし、WSin膜中では、構成原子のWとSiが強固な共有結合を形成することで、優れた熱的構造安定性を持ち、CuやCo原子の熱拡散が抑えられることを示した。
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