研究課題
スピン軌道トルク(SOT)とスピン移行トルク(STT)の結合による磁化反転の実証と反転機構の理解:近年、磁気トンネル接合(MTJ)の面直電流で誘起されたスピン移行トルク(STT)を用いてSOT磁化反転をアシストする新しい方法 (SOT&STT 磁化反転) が提案され、計算からこの新しい磁化反転方法を用いた三端子SOT&STT-MTJは通常のMTJ素子より、消費電力を大幅に低減できることが指摘されている。しかし、今まで実験では実証されていない。加えて「SOTとSTTを併用する場合、磁化反転はどのように誘起されるか」という学術的「問い」の答えも不明確である。本研究は、SOT&STT-MTJ素子を試作し、SOTとSTTの大きさと相対角度をMTJや重金属チャンネルの膜構成で変調し、磁化反転動作と反転電流の依存性を系統的に調べた。そして、世界初で200 psまでの高速領域で、STTとSOTの結合による無磁場磁化反転を実証できた。その結果をシミュレーションと比較し、STTとSOTの効果の理解を深め、デバイス構造設計の指針を明らかにした。以上の成果は一流論文誌(Applied Physics Letters)に発表し、それの重要性によってEditor’s pick に選ばれた。
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Applied Physics Letters
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