研究課題/領域番号 |
18K13830
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
米田 純 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (40760187)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 3Dプリンター / 透水係数 / 骨格構造 / 多孔質体 / メタンハイドレート |
研究実績の概要 |
本研究では3Dプリンターを活用し、多相系地盤の浸透特性の解明を目指している。地盤材料の浸透特性は土木構造物の建設や地盤災害予測・対策などのために必要不可欠な情報である。これらの材料パラメータは主に既往の基準や経験式で決定されるか、不攪乱試料の採取を行い、各種試験を実施することで得られる。不攪乱試料を用いた試験の場合、基本的に一つのサンプルに対して一つの試験しか適用できない。しかしながら複数の試験を実施したいとするニーズは多い。また、近年新たなエネルギー資源として注目されているメタンハイドレート(MH)など土・水・ガスに加えて新たな固相が入った場合の浸透特性の評価は、その物理化学的な特性から困難を極める。本年度は、地盤材料の骨格及び間隙構造を再現するため、X線CTを用いた内部構造のデジタルデータを用いて3Dプリントデータを作製し、デスクトップ型3Dプリンターを用いた地盤サンプルの複製を試みた。まずはじめに、プリント素材としてABS樹脂、PLA樹脂、光硬化レジンを利用して力学材料試験を実施し、内部構造の再現材料としての基礎的データの取得を行った。次に、密詰め豊浦砂のμフォーカスX線CT画像から粒子の分離を行い、ABS樹脂による3Dプリントを行った。印刷は実スケールの約10倍とした。更に、同じ豊浦砂の間隙構造内にハイドレートが胚胎した場合のCT画像から粒子、及びハイドレートの2相を分離し、ABS樹脂によるプリントを行った。得らえた多孔質体に透水試験を行い、透水係数を計測した結果、ハイドレートが間隙構造に胚胎することによる透水性の低下が模擬的に確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、実験および解析ともに概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、出力された複製地盤の精度の確認、及び実験本数を確保することで多相系地盤の内部構造の再現をより確実なものとしていく。
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