研究課題/領域番号 |
18K13840
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
仲吉 信人 東京理科大学, 理工学部土木工学科, 准教授 (90706475)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | グローブ風速放射センサ / 人体熱収支 / ウェアラブルセンサ / 移動観測 |
研究実績の概要 |
本研究は次の二つの事項を達成する.1:地上気象ビッグデータ取得デバイスの開発,2:地上気象ビッグデータの数値気象モデルへの同化手法の構築,および計算精度の向上性の評価.それぞれについて今年度の実施状況は以下の通りである. 1.地上気象ビッグデータ取得デバイスの開発:3つの球形温度センサを用いた気象3変数逆同定システムであるグローブ風葬放射センサを従来の直径12 mmから4 mmまでダウンサイズすることに成功した.また,同定する3気象変数として,風速・日射・輻射熱の組み合わせから風速・日射・気温の組み合わせを逆同定するシステムを新たに構築した(Globe Radio-anemo Thermometer; GRaT).GRaTとすることで,正確な気温測定に必要であった強制通風筒が必要なくなるため,システム全体の低消費電力化,さらなる小型化が可能となった.GRaTに関して特許の出願を行った.加えて,PM2.5を測定する簡易・小型測定デバイスを開発した. 2.地上気象ビッグデータの数値気象モデルへの同化手法の構築:地上気象ビッグデータの気象シミュレーションへのデータ同化インパクトを評価するため,オープン気象モデルWRFの3Dvarを用いたデータ同化数値実験を行った.夏の晴天日を対象としたシミューレーションにより地上気象データの同化が上空の気象解析値を有意に修正させることが確認された.一方で,精度の向上は確認されておらず,2020年度は4dvarを用いた同化数値実験を行う. 上記に加え,上空風速の簡易・安価な測定原理であるCIV(Cloud Image Velocimetry)の開発,および羽田・成田空港を離発着する航空機から排出される排熱・排ガスのメソ気象用データベースの構築を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地上気象ビッグデータ取得デバイスの開発として,グローブ風速放射センサを体積比1/27にダウンサイズを可能とした,また,グルーブ風速放射センサを改良し,GRaTを構築した.GRaTでは,風速・日射・気温を3つのグローブ温度から推定するシステムであり,気温を同定変数とすることで,正確な気温測定に不可欠であった強制通風筒が必要なくなり,さらなる低消費電力化,小型が可能となった(2019年12月に特許出願).更に,地上気象から発展し,上空の風速場を同定する簡易・安価な測定システムを開発した.これらの成果は,当初の予定以上の進展である. 一方,地上気象ビッグデータの気象シミュレーションへの同化インパクトについては,3次元変分法での検討しかできていない.4次元変分法での計算モデルが完成しておらず,これは当初の予定よりも計画が遅れている. 上記2事項を平均し,概ね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
1. センサデバイスの開発 今年度開発したセンサの安定測定性能を検証するため,季節を通した性能調査を行う. 2.地上気象ビッグデータの同化数値実験 4次元変分法により地上気象ビッグデータの同化インパクトを調査する.同化データの空間解像度や時間解像度の影響を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究室学生の一人が卒業研究テーマとして関連研究を行ったことで,データ整理の謝金が必要なくなったため人件費・謝金の支出が必要なくなった.次年度,データ同化数値計算の事例数が増えるため,データ保存NASの購入費用に充てる.
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