研究課題
本研究課題では、複数の車両検知器で観測される一連の車両到着時刻に対して非線形モデリングを行い、交通量変動を記述する。その結果から、交通状態改善のために制御が必要な車両や車群を個別に特定し、それらの車両に対する速度制御などの効果を実験的に示すことで、新たな交通制御の可能性を検討する。このうち後半の2年間は、交通量変動の原因がいつどこの検知器で観測されうるのかを念頭に、観測結果と具体的な個別車両の挙動との関連づけを行うことを目的としている。本年度は、昨年度までの成果に基づいて、各検知器における車両到着パターン変動の原因を車両個別の挙動に対応づけるための検討を引き続き行った。特に、目視で明示的とは言えない渋滞の発生地点・時点については、(1)モデルに基づいて特定の一台を発見することに価値があるように見受けられる場合と、反対に、(2)渋滞の開始時点・地点・車両が明示的とは言えないこと自体を特徴とみなすほうが良いと思われる場合について、両方の可能性を念頭に置いた。さらに、これまでの検討状況を踏まえると、原因を特定の車両一台に求めることが必ずしも現実的でない場合も少なからず存在した。すなわち、改めて車群や集計量としての特徴に注目する必要性も示唆されている。そこで、本年度は、従来の予定と並行して、交通状態や車両の到着パターンが同一であるといえるような時間・空間を判定する手法についても検討を行った。
2: おおむね順調に進展している
当初予定とは多少異なるものの、上記の通り別の観点からの検討も進んでおり、全体としては順調と判断した。
本研究課題を実施する中で発見された課題との統合も見据えつつ、検討を深化させていく。
継続的な感染症の流行により、国内海外を問わず移動を伴う意見交換が難しい状況が続いた。ひきつづき状況を監視しつつ、学会が再開されることに伴う旅費、国内移動の緩和に伴う研究集会等の再開、国際的にはオンラインでの研究会の開催を検討している。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. D3 (Infrastructure Planning and Management)
巻: 78 ページ: 24~33
10.2208/jscejipm.78.1_24
Asian Transport Studies
巻: 8 ページ: 100066~100066
10.1016/j.eastsj.2022.100066