研究課題
本研究課題では、複数の車両検知器で観測される一連の車両到着時刻に対して非線形モデリングを行い、交通量変動を記述する。その結果から、交通状態改善のために制御が必要な車両や車群を個別に特定し、それらの車両に対する速度制御などの効果を実験的に示すことで、新たな交通制御の可能性を検討する。このうち後半の2年間は、交通量変動の原因がいつどこの検知器で観測されうるのかを念頭に、観測結果と具体的な個別車両の挙動との関連づけを行うことを目的としていた。本年度は研究期間を延長した後半の3年目にあたる。昨年度までの成果に基づいて、各検知器における車両到着パターン変動の原因を車両個別の挙動に対応づけるための検討を引き続き行った。それと同時に、これまでに明らかになった、原因を特定の車両一台に求めることが必ずしも現実的でない場合について詳細な検討を行った。具体的には、時間集計単位ごとの交通量や速度に着目した場合に、どのような集計単位を用いるとそうした変化が検知されるかの検討を行うとともに、集計した統計量の時系列変化のモデル化も試みた。また、地点・時点ごとに交通流が従う経験モデルが異なる場合について、そのモデルを推定する手法を構築し、実データに適用した。以上の成果を踏まえつつ5年間の全体の取りまとめを行い、成果発表に向けて論文執筆等を進めた。現時点で公表できていない成果についても、順次論文等の形で発表していく予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Communications in Transportation Research
巻: 2 ページ: 100067~100067
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