本研究の学術的意義は以下にまとめられる。まず、既存の他分野における点過程モデルを整理することで、交通量変動の記述に適用するための見通しを得た。また、対数線形モデルを用いた時空間構造化により、多地点・複数車線での観測データを単一のモデルで統一的に扱う枠組みを構築した。同時に、従来のマクロ交通流理論を発展させることで、ミクロ的分析の結果を実際の制御に反映させる足掛かりを築いた。 本研究の社会的意義は以下に集約される。すなわち、交通量という道路上の最も簡単かつ基礎的な観測データを最大限活用するための数理的な枠組みを提示し、限られた予算の中で効率的な道路運用を行う可能性を示した点である。
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