研究課題
浄化槽からの水路、河川などに放流される放流水に含まれるVBNC(生きているけれども培養できない)状態の細菌の検出法を確立し、現場浄化槽での調査により、浄化槽の細菌漏出リスクを正確に評価することを目的としている.浄化槽からの水路、河川などに放流される放流水に含まれるVBNC(生きているけれども培養できない)状態の細菌の検出法を確立し、現場浄化槽での調査により、浄化槽の細菌漏出リスクを正確に評価することを目的としている.平成30年度は現場での調査に先立ち、は現場調査を中心に行い,6基の浄化槽から各2回ずつ合計12回のサンプリングを行い,採取した浄化槽内水に含まれる細菌量,大腸菌量を培養法,リアルタイムPCR法,PMA-リアルタイムPCR法を用いて評価した.その結果,消毒後の放流水に含まれる大腸菌群数が基準の3000個/mL以下を満たしている浄化槽においても一定数の生細菌が含まれており,VBNC(生きているけれども培養できない)状態の細菌も含まれることが示唆された.同時に浄化槽の内水に含まれる細菌については死細菌の割合が高いことも明らかになった.また,一部サンプルにおいて次世代シーケンス解析を行い,Hydrogenophaga属やCloacibacterium属,Noviherbaspirillum属などが浄化槽の水処理工程を通して,主要な細菌であることが明らかとるとともに,生細菌と死細菌で細菌群集構造に差があることが明らかとなった.
2: おおむね順調に進展している
令和元年度の調査において,予定以上の現場サンプルを採取することができた.サンプル数が多かったこともあり,次世代シーケンサーを用いた細菌群集の解析が遅れているが,令和2年度に集中的に細菌群集構造の解析を行うことにより目的を達成できると考える.
新型コロナウィルス感染拡大防止のため,現場でのサンプリングが難しい状況となっているが,令和元年度に多くの現場サンプルを採取できており,令和2年度はそれらサンプルの細菌群集構造の解析を行い,細菌群集構造と微生の漏出との関係を明らかにする.
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