• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

硫黄サイクル、鉄サイクルおよびANAMMOXを活用した酪農排水の新規処理法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K13861
研究機関石川工業高等専門学校

研究代表者

小杉 優佳  石川工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (70804821)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード酪農排水 / 窒素除去 / ANAMMOX
研究実績の概要

酪農排水は有機物と窒素濃度が高い排水である.多くは活性汚泥法を用いて処理されているが,エネルギー消費量が多く,窒素が残存するため周辺環境への影響が大きい.本研究では,硫酸塩濃度が高い酪農排水を対象として,硫黄サイクル,ANAMMOX,鉄サイクルを活用した,新規の省エネルギーな生物膜処理法の開発を目的としている.提案するプロセスは,嫌気-無酸素-好気槽を組み合わせた硫酸塩還元/脱窒・ANAMMOX/部分硝化プロセス (SRDAPNプロセス)である.本処理法の有効性を検討するために,模擬酪農排水を用いた連続処理実験と微生物叢の解析を行う.
SRDAPNプロセスを酪農排水処理に適用する場合,無酸素槽内のANAMMOX反応に対する影響を考慮する必要がある.本年度は,無酸素槽内のANAMMOX反応への影響の検討と無酸素槽内の微生物解析を行った.装置は高濃度な酪農排水を対象に嫌気無酸素槽生物ろ床装置を用い,有機物負荷と温度条件をそれぞれ変えて運転した.その結果,高濃度排水を用いた高負荷条件の運転においても,嫌気槽で十分に有機物を除去し,無酸素槽の有機物負荷を0.2kgC/m3.day以下に抑えることにより,高いアンモニア除去率を得ることができた.無酸素槽内において,脱窒細菌とANAMMOX細菌は槽内ですみ分けしていると推定され,槽上部においてANAMMOX細菌が多く検出された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

人工の酪農排水を用いた生物ろ床装置の連続運転はおおむね順調であり,条件を変更した運転を継続中である.

今後の研究の推進方策

継続した運転と微生物解析を行い,SRDAPNプロセス全体の評価を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

購入価格等に差異が生じたためであり,次年度の実験用消耗品に振り替える予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Wastewater Treatment using the “Sulfate Reduction, DenitrificationAnammox and Partial Nitrification (SRDAPN)” Process2020

    • 著者名/発表者名
      Kosugi Yuka、Matsuura Norihisa、Liang Qiaochu、Yamamoto-Ikemoto Ryoko
    • 雑誌名

      Chemosphere

      巻: 256 ページ: 127092

    • DOI

      10.1016/j.chemosphere.2020.127092

    • 査読あり
  • [学会発表] 硫黄サイクルとANAMMOX反応を活用した排水処理法(SRDAPNプロセス)の酪農排水処理への適用2021

    • 著者名/発表者名
      小杉優佳,松浦哲久,池本良子
    • 学会等名
      第55回日本水環境学会年会
  • [学会発表] 硫黄サイクルとANAMMOXを活用したSRDAPNプロセスによる有機物と窒素除去2020

    • 著者名/発表者名
      小杉優佳
    • 学会等名
      令和2年度日本水環境学会中部支部研究発表会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi