• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

集成材有孔梁の耐力評価法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 18K13867
研究機関大阪市立大学

研究代表者

岡本 滋史  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (20769806)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード集成材梁 / 貫通孔
研究実績の概要

建築高さを抑えて天井高さを確保する場合に、梁せいが大きいと梁に設備配管を通す貫通孔を設ける必要がある。国外では設計規準等が示されているが国内では研究論文で提案されているものの集成材有孔梁の耐力算定方法は確立されていない。そこで今年度は、様々な大きさの円形孔を設けた集成材有孔梁の曲げせん断試験と材料試験を行い、国外の設計規準等に定められている耐力算定方法および国内の研究論文で提案されている耐力算定方法の精度の検証を行った。
曲げせん断試験では、梁せいの1/15,1/10,1/5,1/3,2/3,4/5の径の円形孔を設けた集成材有孔梁の耐力を得た。材料試験では、曲げせん断試験に用いた集成材のせん断強さ,横引張強さ,縦引張強さを得た。そして、実験で得られた材料強度と耐力算定方法を用いて集成材有孔梁の耐力を推定したところ、今回行った実験仕様に限ってかもしれないが提案されている耐力算定方法では集成材有孔梁の耐力を推定できないことが確認できた。耐力は推定できなかったものの、線形破壊力学を用いた耐力算定方法では、梁せいが大きくなるにつれて耐力が増加しにくくなる寸法効果の傾向を捉えていることがわかった。
そこで、線形破壊力学の考えを取り入れて存在応力と材料強度を比較して設計することができる平均応力法(潜在的な破断領域に作用する応力の平均を材料強度と比較する方法)を用いて集成材有孔梁の耐力の推定を行った結果、集成材有孔梁の耐力を概ね安全側に推定できることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、過去に提案された集成材有孔梁の耐力算定方法が限定的な条件でのみ検討されたものであったため、様々な仕様に対して検証を行って適用範囲を拡大することを目的としていた。しかし、今年度の研究成果により当初予定していた研究方法では耐力算定方法を提案することが難しいと判断したが、別の方法を模索することで最適な方法を見つけることができた。

今後の研究の推進方策

来年度は平均応力法の考え方を用いて集成材有孔梁の簡易な耐力算定方法を提案する。

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi