本研究で得られた知見は,建築物の長寿命化に必要であるがこれまであまり検討されていなかった耐震改修の耐久性に関するものである。 あと施工アンカーはRC造建築物の耐震改修において新旧部材をつなぐ形で汎用されている技術であるが,鉄筋腐食に関する劣化因子の浸透においてはバイパスの働きをしてしまう可能性があるため,打継部の防水処理や使用するアンカーをアンカー孔を閉塞できる接着系にする必要がある。本知見はこのような耐久性を考慮した施工指針を策定する際の裏付けとなるため耐震改修の耐久性向上の大きく寄与できると考えられる。
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