研究課題/領域番号 |
18K13885
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 規道 千葉大学, 予防医学センター, 特任准教授 (90724849)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 建造環境 / 予防医学 / 都市・地域計画 / 疫学調査 |
研究実績の概要 |
低出生率に伴い,総人口が減少する一方,高齢化率は上昇し続けており,「少子・高齢化」は世界に先駆けて我が国が解決すべき重要課題となっている.これらの解決に向けた将来ビジョンとは,都市を軸とした社会経済システムの実現,すなわち〈地域社会の活性化〉であり,〈母子・高齢者の健康に寄与する都市・地域構造の解明〉,さらには持続可能な都市の実現は,人類共通の課題であると言える. 本研究では,既に実施中の2つの大規模母子・高齢者コホート調査に参加し医学:〈健康データ〉,工学:〈地域環境〉〈個人環境〉〈社会環境〉のデータを得る.それらを地理情報システム(以下GIS)および統計解析を用い“母子および高齢者の健康”に関わる都市・地域環境の関係を明らかにする事を目的としている. H30年度について、主に以下の2項目を実施した. ① 国内外論文のレビュー・エビデンスの整理:世界で行われている都市・地域構造と健康に関連するデータを整理し健康情報・地域環境・社会環境・個人環境に関連する指標を抽出.② 母子コホート・高齢者コホート調査への参加し、身体・認知・心理的な健康情報の他,社会参加の状況,居住地域情報を個人レベル並びに校区・自治体レベルのマルチレベルで分析ができる状態にデータ整理を行った. これらの研究成果は、随時、関連する医学系、工学系の国内外の学会での発表や国際紙での報告を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属する研究機関で実施されているコホート調査は順調に進んでおり、データ解析に向けて順調に準備が進んでいる。 既に、共著者として課題テーマと連動した内容で国際紙での発表を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、実施しているコホート調査に参加し, 分析を行っていく. また、世界の研究状況を常に把握し、分析モデルに組み込んでいく. H31~32年度は主に下記の点について研究を進める. 健康情報の抽出:① 母子コホート:主観的健康感,児の出生体重,客観的栄養状態,うつ傾向.② 高齢者コホート:主観的健康感,転倒歴,うつ傾向,閉じこもり.地域環境要因の分析:① 居住地域の地域度を表す変数として<可住地人口密度>,居住地域に配されている公民館,公園,学校などの公共施設や生鮮食料品店,スーパー,コンビニなどの商業施設に代表される<施設要素>,近隣の植栽指数(NDVI),道路の行き止まり,傾斜角度などの<地理要素>,降雨・雪量やなどの<気象要素>を抽出する.② これらの要素を地理情報システム(GIS)で集計し小地域ごとの統計情報を得る.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた、学会掲載費および学会参加がなくなったため。 2019年度の実験および調査費として、補てんを予定している。
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