研究課題/領域番号 |
18K13890
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
権藤 智之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (50608396)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高層建築 / 施工 / 変遷 / 資料調査 / インタビュー / アンケート / 揚重 |
研究実績の概要 |
日本の高層建築施工の変遷について、資料収集、施工関係者へのインタビューを主に実施した。 日本初の超高層建築である霞が関ビルディングについて、カーテンウォールの設計・施工過程に関する論文が掲載されるとともに、雑誌で技術的な特徴について特集を企画した。カーテンウォールの設計・施工過程については建設委員会の議事録約100回分を詳細に分析し、開発的な設計過程の特徴や、カーテンウォールの設計案が徐々に収束する過程を具体的に明らかにした。雑誌の特集では、都市計画、構造など他5分野の研究者とともに霞が関ビルディングの技術史的な意味や調査を通じて明らかにした新事実を明らかにした。 高層建築の施工について、工程管理、揚重、プレファブ化、機械化、地下工事に関して、雑誌で変遷に関する記事を連載した。連載記事では、資料調査の結果を元に、施工において特徴的な工夫が見られた高層建築を取り上げ、施工の変遷について主に設計者向けに解説した。執筆の過程ではバブル期の自動化施工に関わった施工技術者へのインタビュー等を実施した。 特に揚重については、揚重専門会社による一括揚重が特に都市部の高層集合住宅建設で一般化しており、この一般化する過程について、資料調査、インタビュー、アンケート調査、現場調査によって明らかにした。一括揚重を前提とした揚重専門会社の実態調査は過去に例がなく、実際の一括揚重の現場調査と合わせて多角的に実態を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
査読付き論文の掲載、雑誌連載記事の執筆など、得られた研究成果から既に公表を始めている。
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今後の研究の推進方策 |
雑誌記事を執筆した自動化等の5テーマを掘り下げ、学術的な成果としての公表を目指すことに加えて、高層建築前史、資源循環、情報化、職人の4テーマについて成果の公表を目指す。
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