本研究の目的は、日本で高層建築施工が始まった1960年代から、自動化施工など世界的にも特異な発展をとげた2000年代までの構工法の変遷を明らかにすることである。 2022年度も高層建築の資料収集・整理を継続して行った。特に竣工時のパンフレット等に、施工の説明や図版が掲載されることが多いため、収集し、データ化、データベース化を行った。特に、床のユニット化など、生産性向上の取組みに関しては重点的に記録を行った。 昨年開始した高層建築の施工写真のウェブサイトについても継続して作業を行い、近いうちに公開の予定である。具体的には20数字例について、施工上の特徴的な様子をおさめた写真およびその説明文を掲載したサイトを作成している。許可の手続きを進めている。 型枠工事会社に対するインタビューを行い、1970年代の変化について明らかにした。具体的には1970年代に土木分野で使われるようになった熱成形の曲げ合板が建築にも導入され、櫛型枠やユニット型枠など新たな工法が用いられるようになった。型枠工事の変遷については、日本建築学会関東支部で発表を行った。 成果のとりまとめとして、生産性向上の取組みについて、戦後の変化をまとめ、日本建築学会関東支部で発表を行い、建築生産シンポジウムでも採用が決定している。具体的には各種工事の歩掛かりが時代によってどのように変化をしてきたかを明らかにした。また、国際会議において、霞が関ビルディングでの施工技術開発について発表を行った。
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