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2019 年度 実施状況報告書

インフォーマル市街地における公共空間のマネジメントと社会的機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K13897
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

小野 悠  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70782986)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードナイロヒ / インフォーマル市街地 / 公共空間
研究実績の概要

2019年度はナイロビのインフォーマル市街地における公共空間での住民間交流に関する調査・分析を行った。
(1)現地調査では、まず、ムクル・クワ・ンジェンガ内をくまなく歩いて回って観察調査を行い、公共空間の空間類型を特定し、調査地区を抽出した。続いて各調査地区における住民間交流の特徴を把握するため、公共空間に集まっているグループおよびグループ内の各人に対して属性に関するアンケート調査を実施した。また、補足調査として公共空間における滞留者と通行者のカウント調査を実施した。
(2)以上、アンケート調査の結果に依拠しつつ、カウント調査の結果や住民および住民リーダー等へのヒアリング内容も合わせ、公共空間における住民間交流の特徴をグループの規模、近接性、近隣関係度、混在度、経済活動度の視点から分析を行った。
(3)その結果、高い開発圧力の下で形成されたナイロビのインフォーマル市街地では道路空間がコミュニティにとってほぼ唯一日常的に使える公共空間となっていることが明らかになった。こうした道路空間で行われる住民間交流の特徴として、少人数の集まりが多いこと(規模)、近距離からの来訪者が大半を占めること(近接性)、近隣住民関係をベースに同郷・血縁・個人間の関係性が存在すること(近隣関係度)、性別・年齢・出身地・民族・宗教など属性の異なる者同士の交流と同質的コミュニティの交流が並存していること(混在度)、そして住民間交流が経済活動と強く結びついていること(経済活動度)がわかった。また、生活に身近な住宅地内道路とインフォーマル市街地内外をつなぐメインストリートにおける住民間交流を比較すると、とりわけ混在度の観点からは、前者が性別・出身地・民族・宗教を超えた交流が行われる場であるのに対し、後者は同質性の高い交流の場となっていることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査は順調に進んでだが、分析に時間がかかり論文投稿が遅れた。

今後の研究の推進方策

2020年度はルサカとキガリで現地調査を行う予定であるが、COVID-19の感染拡大の影響で現地調査の実施は実施できない可能性があるため、対応を検討中である。いずれにしても、既往研究レビューと両都市の市街化動向やインフォーマル市街地の政策的対応についての文献調査を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Collaborative Approach to Informal Settlements Upgrading in Kigali, Rwanda2019

    • 著者名/発表者名
      Ryota Okamoto, Haruka Ono
    • 雑誌名

      Proceedings of the 15th Conference of Asian and African City Planning (AACP2019)

      巻: - ページ: 148 - 158

  • [学会発表] An Empirical Study on Informal Land Delivery Systems in Nairobi2019

    • 著者名/発表者名
      Haruka Ono
    • 学会等名
      8th European Conference on African Studies (ECAS 2019)
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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