研究課題/領域番号 |
18K13897
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
小野 悠 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70782986)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | キガリ / インフォーマル市街地 / 生活基盤施設 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスの感染拡大により現地調査を実施することができなかったため、取得済みのデータの分析と文献レビューにより論文投稿を中心に実施した。 文献調査および関係省庁、大学の有識者へのヒアリング調査に基づき、ルワンダにおけるインフォーマル市街地の居住環境整備の政策的位置付けを整理した。ルワンダ政府は、人々の投資により形成されたインフォーマル市街地の住宅ストックに適切に公的投資することが急増する住宅需要に応えることにつながるとし、インフォーマル市街地の居住環境整備を国の住宅・都市政策に位置付けるとともに、地方分権・コミュニティ開発政策を通じて居住環境整備への地区単位でのコミュニティ参加を担保している。ハード的側面だけでなく、それを支えるガバナンスの側面からも横断的に政策化していることを明らかにした。 また、ケーススタディとして首都キガリのインフォーマル市街地を対象に、公共的な生活基盤施設がどのような意思決定の下、誰の費用負担によって整備されているのかを観察・マッピング・関係者へのヒアリング調査から明らかにした。インフォーマル市街地の生活基盤施設が地区を基本単位に政府資金と住民資金で整備されていることが分かった。政府資金には、政府の直接事業と、地区住民が使途を決められる開発基金がある。地区内外の住民が利用する公共性の高い施設は政府資金で整備される傾向がある。一方、住民資金は、資金拠出と意思決定の範囲によって、地区の原則全住民による資金、近隣数世帯の資金、単独世帯の資金がある。住民が生活基盤施設整備に拠出する動機には、生活の利便性や安全性の向上、家屋や塀など自己資産の保護や価値向上、自動車やバイクなど車両通行を可能にすることなどがある。特筆すべきは、自己資産に直接的に影響を及ぼす土地所有世帯だけでなく、借家世帯もまた整備費の負担に参加している点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により事実上ストップした状態であるため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きつつあるものの、貧困層が多く居住する地域ゆえ治安の悪化が懸念されるため、カウンターパートと慎重に協議して現地調査の可否を判断する。基本的には、文献調査、既存データの分析、インターネットを使った遠隔調査など研究手法の変更を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により現地調査及び研究ができなかったため。
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