2020年度の研究実績は次の通りである。 「類似度判定手法の開発」においては、扱う対象を見直し故障内容で扱うこととした。漏水をケーススタディの対象として選定しツール開発に取り組んだ。ツールの性格は、類似度を判定するものから、故障発生の可能性を判断するための描画・情報提供に変更した。部屋の中で天井からの漏水を発見する状況を想定し、関連の深い建築部位として配管と屋上スラブ、ルーフドレンの3種類を取り上げた。BIMデータ内の部屋オブジェクトと、天井の上部に位置する配管または屋上スラブまたはルーフドレンとの共通部分を調べ、その結果の形状情報を取り出し平面図ビュー上に描画する。BIMソフトウェア上にウィンドウを発生させて描画する機能、また、CADソフトウェア上で図面として描画するための機能を開発した。また、配管については、これが持つ属性情報を集約する機能も開発した。長さ等を配管の種類で区別して集計する。 「BIMデータの構築」においては、今年度の題材に合わせて、2019年度の状態から機械設備に関する要素の整理・追加配置を重点的に行った。また、校舎の写真から生成した点群、直接取得した点群をBIMデータと照らし合わせることより、図面以外の情報源からのBIMデータ構築について検討した。 「国立大学法人等施設の調査」においては、2019年度に引き続き、高専と大学の施設職員に対して施設管理に関するヒアリング、また対象施設の調査を実施した。また、今年度開発したツールに関する意見を収集した。 成果発表については、日本建築学会年次大会の梗概に掲載された。情報システム技術委員会シンポジウムでの口頭発表を行った。
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