研究課題/領域番号 |
18K13913
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩元 真明 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (50772513)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ヴァン・モリヴァン / カンボジア内戦 / UN Habitat |
研究実績の概要 |
カンボジアの建築家ヴァン・モリヴァンのカンボジア内戦期(1970から1992年)について、過去に行っていた予備調査に基づき、資料整理と文献調査を行った。 モリヴァンの娘Vann Delphineに対して行ったインタビューの内容を、文献等と突き合わせて精査することによって、主に以下の事実が確認された。a) モリヴァンの妻子は1971年にスイスMurtenの実家(アンベール家)に亡命、b) 翌年、モリヴァンはイスラエル経由でスイスに亡命。c) 以後、1979年まで、モリヴァンはローザンヌにおいて設計事務所に勤務、d) 1979から89、ナイロビのUN Habitatに勤務、e) 1989から91、Burungiにて、UN Habitatのミッションを継続、f) 1991、国連を退職しスイス・Finhautに移る、1992、カンボジアに帰国。 また、ヴァン・モリヴァンに協働した国連専門家Guy Lemarchandsにインタビューを行い(2019年2月)、内戦期におけるモリヴァンの活動の一端を把握した。具体的には、内戦期にモリヴァンが国連に務めることになった経緯を把握した。亡命後、モリヴァンはスイスの設計事務所におけるスタッフの地位に甘んじていたが、バンクーバーで開催された国連の会議(1976年開催のHabitat Iのことと思われる、資料にて補足確認中)においてGuy Lemarchandsと出会い、彼の勧めでナイロビのUN Habiatに務めることになった。Lemarchandsは建築家と技師を束ねるセクション・チーフであり、モリヴァンは同セクションの一員となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備調査(文献調査・インタビュー調査)の整理および検証作業に想定よりも時間がかかり、当初予定していた国外での調査を実行できなかった。ただし、予備調査の整理・検証作業が完了したため、令和元年には当初の計画に追いつく予定である
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今後の研究の推進方策 |
令和元年にはスイス(ローザンヌ、ムルテン)およびラオスでの現地調査を行い、令和2年に、ケニアでの現地調査を行うことによって、当初計画を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
H30年度に遂行できなかった国外での調査をR01年度に行う。また、その調査に伴う物品・人件費が生じる。
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