研究課題/領域番号 |
18K13916
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
野村 正晴 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (50634325)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 欧米都市計画技術 / 都市計画系専門雑誌 / 都市公論 / 出典形態 |
研究実績の概要 |
昨年度の今後の研究の推進方策で示した通り、新型コロナの研究環境への影響を考慮して、本課題の派生研究を通して追加された、近代日本における欧米都市構築技術の受容という視点に基づいて、特に研究課題の対象とする時期に発刊されていた都市計画系の専門雑誌を資料とし検証作業を行った。今年度は主に『都市公論』誌を扱った。 検証作業の概略を次に示す。①研究対象の確定。1918年4月創刊から1945年2月号廃刊に至る『都市公論』の発行された全巻全記事に対して、欧米に関する記事を次の項目で抽出した。1.欧米人著者の記事(翻訳を含む)、2.記事の題名に欧米国名、都市名、地域名のついたもの、3.記事の内容が欧米の都市を扱うもの、4.欧米に関する図版(地図、写真など)。②抽出した記事をその記事内容と記事形態に着目して、欧米関連記事の誌面構成上の役割を示す数的指標として、6ヶ月ごとの欧米関連記事のタイトル数、全記事タイトル数、全記事タイトル数に占める欧米関連記事のタイトル数の割合を算出し作表した。③抽出した記事をもとに該当記事の出典形態に着目して、出典資料の原典の解明作業を行い、その結果を表としてまとめた。④抽出した記事を③の作業で確定した出典形態ごとに、全記事における記事数をカウントして、記事数と構成割合の表を作成中である。 上記、②③④の作業を通して記事内容の傾向と、誌面の構成を概括すると、本稿が対象とする1918年~1945年を比較的明快に次の5期に区分することができる。現在は、その各期区分にしたがって、②③④で作成した資料と、各記事に基づいて論考を行い、論文化の作業をおこなっている。 また、昨年度・本年度の研究成果の一部を利用して、野村正晴・會田涼子,「『都市公論』誌にみる欧米関連記事の記事数と構成比率 1918-1945」と題して日本建築学会2020年度大会にて研究発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナによる研究環境への影響を考慮して、派生研究での成果に基づいた研究計画の再構築を実施し、その再構築した計画にしたがって研究を推進しているため、当初の本研究課題に関してはやや遅れていると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も昨年度より引き続き色濃く残る新型コロナの研究環境に与える影響が想定される。加えて、本年度は本研究課題の最終年度にあたる。そこで、①昨年度のはじめに、既に資料が手元にあることを前提として再構築した研究計画にて設定した、都市計画系専門雑誌を用いた研究の継続、②令和元年度までに実施できた本研究課題に関する研究成果の整理と検証、この2つの作業を軸として本課題最終年度の研究の推進方策としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度未使用額が発生した理由は、新型コロナの蔓延による研究環境の悪化を考慮して研究計画を大幅に見直したため県外をまたぐ旅費などの支出がなかったから。 本年度の使用計画としては、依然新型コロナによる研究環境への影響については不透明性が高いため、昨年度策定した研究計画を実施するための、文献購入費と論文投稿にかかる支出に使用する計画である。
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