2020年度の今後の研究の推進方策で示した通り、新型コロナの研究環境への影響を考慮して、本課題の派生研究を通して追加された、近代日本における欧米都市構築技術の受容という視点に基づいて、特に研究課題の対象とする時期に発刊されていた都市計画系の専門雑誌を資料とし検証作業を行った。今年度も2021年度と同様に主に『都市公論』誌を扱った。 検証作業の概略を次に示す。①研究対象の確定。1918年4月創刊から1945年2月号廃刊に至る『都市公論』の発行された全巻全記事に対して、欧米に関する記事を次の項目で抽出した。1.欧米人著者の記事(翻訳を含む)、2.記事の題名に欧米国名、都市名、地域名のついたもの、3.記事の内容が欧米の都市を扱うもの、4.欧米に関する図版(地図、写真など)。②抽出した記事をその記事内容と記事形態に着目して、欧米関連記事の誌面構成上の役割を示す数的指標として、6ヶ月ごとの欧米関連記事のタイトル数、全記事タイトル数、全記事タイトル数に占める欧米関連記事のタイトル数の割合を算出し作表した。③抽出した記事をもとに該当記事の出典形態に着目して、出典資料の原典の解明作業を行い、その結果を表としてまとめた。④抽出した記事を③の作業で確定した出典形態ごとに、全記事における記事数をカウントして、記事数と構成割合の表を作成した。 また、本年度は継続的な作業を通して得た知見をまとめ論文化を行った。
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