研究課題/領域番号 |
18K13919
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
嶋村 耕平 筑波大学, システム情報系, 助教 (90736183)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高温気体力学 |
研究実績の概要 |
今後運用の終了した宇宙構造物など大型デブリの大気圏再突入と地上へのリスクは増々高まり予測技術の高精度化は不可欠であると考えられる。本研究では空気力学・熱力学の観点から再突入物体の崩壊プロセス解明を目指した学術的研究を行った。具体的にはシミュレーションによる空力係数、加熱等の予測と並行して、衝撃風洞や膨張波管といった超高速大気圏突入実験が可能な風洞実験を進めるための計測を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は極超音速気流生成用の新型風洞(膨張波管)の気流診断を秒速8kmの速さで行った。具体的には10万分の1秒の試験時間を同定するためのプローブの開発や圧力、温度プローブの開発を行い、風洞に使用した。この結果、半球20mmの模型で100MW/m2の加熱率を計測し、概ね理論値と一致した。また粒子法によるシミュレーションで空力係数の概算を行い、今後は低軌道での計算をするための準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
衝撃波が干渉することで発生する加熱は通常の20倍程度の異常加熱が発生することが知られているが、サンプルリターンや小惑星などの軌道速度以上(~12 km/s)でのサブオービタルからの大気圏突入については熱流束と合わせて未知の領域である。 このため、数値計算手法を利用しつつ加熱率、空力係数など実在気体効果が及ぼす影響を定量的に評価したい
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次年度使用額が生じた理由 |
実験スケジュールの都合上、消耗品を使う実験が翌年度となったため消耗品の購入がなくなり一部助成金を翌年度に繰り越しとなった。全体の実験計画の変更はなく、年度をまたぐことによる予算のやり繰りの都合上である。
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