最終年度は主として1.昨年度実施したマッハ数2より高速且つ実機速度に近い速度での放電気流制御特性・プラズマフィラメント挙動解明の為実験と数値解析を実施した。通常放電時及び省エネルギーパルス放電時の制御効率変化とその評価を行った。2.当初予定の放電形態に加えより自由度の高い気流制御を実現する為流れ方向に長い別形態プラズマフィラメント生成による気流制御実験を実施し、制御効率及び高速応答性について調査した 1.将来型超音速極超音速機への応用を想定し電極列で生成したプラズマフィラメントによる気流制御特性解明の為、米国ノートルダム大学超音速極超音速風洞SBR50にて風洞実験及び数値解析を行った。実験では極超音速機等のフラップを模した斜面を持つ模型を製作し、前方に設置した電極列にてプラズマを発生させフラップに作用する力を推算した。昨年度より実機飛行速度に近い高速流中M>4にて気流制御実験を行い、フラップでの空気力が急減少する事が判明した。圧力変動値と電力の間には温度をパラメータとした強い線形関係があり、気流密度の低い高速流中では気流エンタルピーに対し一定割合以上のエネルギー投入で制御効果が頭打ちとなるが、その限度値までは線型且つ高効率で制御可能である事が実験及び数値解析から判明した。気流制御効率は高速流中の方が高くなる事も明らかになった。フィラメント挙動の動的モード分解から特性周波数が求まり、気流とプラズマ粒子の相互作用で決まるプラズマ電圧の特性周波数と一致する事が判明した。またパルス放電による気流制御特性では制御起動時よりも停止後の方が圧力変化終了に100u秒程長く要する事から適切な周波数選択で省エネルギー化可能であると示唆された。2.より自由度の高い気流制御の為流れ方向放電による広域放電空力制御の特性解明実験を当初計画に加えて実施し通常と同等かつ広い範囲での気流制御を調査・解明した
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