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2018 年度 実施状況報告書

スケール依存性を意識した外乱補償による小型衛星の姿勢制御高精度化

研究課題

研究課題/領域番号 18K13924
研究機関名古屋大学

研究代表者

稲守 孝哉  名古屋大学, 工学研究科, 講師 (50725249)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード小型衛星 / 姿勢外乱トルク
研究実績の概要

近年、1 kg - 100 kgの小型衛星の地球観測や理学観測において高解像度の画像や観測データ取得などより高度なミッションが検討されている。これらのミッションでは望遠鏡などの観測機器を目標に高精度に指向させて安定化させる姿勢制御技術が重要となるが、高精度な姿勢制御を達成する事は小型衛星では困難ことが多い。これは小型衛星では、その小さな慣性モーメントから環境外乱の影響を大きく受け、軌道上でどのような姿勢運動を行うのか正確に把握されていない事による。
本研究では「衛星スケールにより姿勢ダイナミクス・運動がどのように異なるのか」を解明し、小型になるほど影響を大きく受ける環境力を利用することで高精度な姿勢制御を達成することを目指して研究を進めている。
本研究では特に非対称形状の磁性体が地球環境磁場環境下において誘起された磁気モーメントによりはたらく姿勢トルク(形状磁気異方性による姿勢トルク)に注目して研究を進めた。2018年度は搭載コンポーネントの磁性体において形状磁気異方性により生じる磁気トルクの強度について検討した。最初に磁気FEMを用いてトルクの大きさを計算し姿勢角や外部磁場強度に対するトルク強度を明らかにし、磁気外乱モデルを構築した。この形状磁気異方性によるトルク強度は地球磁場強度の二乗に比例することを明らかにし、磁場強度が強い領域においては通常よく考慮される残留磁気モーメントによる外乱トルクよりも大きな姿勢トルクが生じることを明らかにした。さらに構築した外乱モデルを実装した軌道・姿勢シミュレータを開発した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度は当初予定していた搭載磁性体の形状磁気異方性により生じる磁気トルクに着目し磁気外乱モデルを構築した。次年度は予定通り空気力が及ぼす影響の解明を進め、さらに構築した外乱モデルを実装するシミュレータも開発を進める予定であり、当初の予定通り研究を進めている。

今後の研究の推進方策

小型衛星のテレメトリデータを用いて希薄で電気的に中性な空気分子が衛星パネルでの跳ね返りにより生じる空気抗力について明らかにし、空力外乱についてモデルを構築する。さらに姿勢軌道運動を模擬するSILS (Software in the Loop Simulator) を開発し、別に開発した衛星搭載用情報処理基板とセンサ・アクチュエータ基板とを接続した試験系を構築する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Propellantless Close Range Rendezvous and Docking Using a Single Electromagnetic Device for Small Spacecraft2018

    • 著者名/発表者名
      Y. Yamada, T. Inamori, M. Tomooka
    • 学会等名
      The 69th International Astronautical Congress
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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