化学推進機と比較して高い排気速度を達成可能な電気推進機は,発生する推力が小さいために,軌道遷移に要する時間が長期化することが課題である.そこで本研究では,発散磁場配位下における静電加速と電磁加速の混合,すなわち「静電/電磁混合イオン加速」の実証とこれによる電気推進機の大推力化を目的とした.本研究を通じて,放電室外部に陰極を配置しても高いHallパラメータを維持しつつ静電/電磁混合イオン加速が実現可能なこと,磁場強度を増加させることで推進剤の多価電離が進行し,アルゴン推進剤において3800秒を上回る高い排気速度と30%を上回る推力効率とを達成することができた.
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