研究課題/領域番号 |
18K13949
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中井 美和 早稲田大学, 重点領域研究機構, 次席研究員(研究院講師) (30778080)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | エネルギーリテラシー / 小中高生 / エネルギー教育 / 教育効果 |
研究実績の概要 |
本研究ではリテラシーと適切なエネルギー選択には正の関係があると仮定し、年代別に保有すべきリテラシーの特定化、および、教育効果分析手法の構築を行うことにより、リテラシーの向上、ひいては、望ましいエネルギー選択を誘発させるエネルギー教育の在り方に関して具体的な政策提言を行うことで、地域分散型システムへの移行を需要サイドから促進することを目的とする。本研究では、エネルギーの課題が先進している島嶼地域の小中高生を主な研究対象者とする。 具体的には、リテラシー向上を目的としたエネルギー教育の在り方を議論すべく、以下の3点について取り組む。 【取組A】小中高生別の教育すべきエネルギーリテラシーの特定化 【取組B】教育効果分析方法の構築と効果的な教育プログラムの提案 【取組C】教育効果の波及効果の分析:選好性との関係性と生徒の家族への影響
本研究課題2年目となる2019年度も、取組Aおよび取組Bを中心に取り組んだ。初年度に作成したエネルギーリテラシー特定化のための調査票を、プレ調査の結果等を参考にしながら修正を行った。取組Bの「教育効果分析方法の構築」および「教育プログラムの提案」については、大学生向けの環境教育プログラム、および、教育分析方法の構築を行っている研究者にヒアリングを行い、本研究で構築した教育効果分析手法へ具体的な助言を受けた。また、論文のレビューにより、諸外国での事例研究の結果を収集した。これらの取組の結果を受け、初年度に構築した教育効果分析方法の修正を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は2年目より「取組C」についても取組を開始する予定であったが、ほとんど着手できなかった。しかし大学生を対象とした環境教育に関するヒアリングの実施などを通じて、エネルギーリテラシーの特定化作業の精緻化を行うことができた。以上を踏まえ、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、取組Bと取組Cを中心に研究を行う。研究協力者の協力を得て、体験型・ロールプレイング型ワークショップ、エネルギー専門家による講義、また、小中学校、高校教諭による授業などを組み合わせたエネルギーワークショップを実施する。初年度および2年目に開発した手法を用いて、教育効果の分析を行う。教育効果には、エネルギーリテラシー(知識、意図、行動)の変化に加え、エネルギーの選好性の変化も含める。 また、それらの関係性を分析する。エネルギー教育の波及効果として、生徒の家族への影響をアンケート調査とインタビューを通じて検証する。もし、新型コロナウイルスの影響によりさらなるワークショップの実施、および、インタビューの実施が不可能な場合も考えられる。新たにワークショップができない場合は、これまでのワークショップの結果をもとにさらなる分析を行い、インタビューの実施については、アンケート調査の実施で代替する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度からの繰越額、および、人件費が当初より少なかったため。しかし、2年目に進捗すべき目標は達成している。
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