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2020 年度 実施状況報告書

知識移転・共有のミクロ的基礎に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K13950
研究機関学習院大学

研究代表者

佐々木 康朗  学習院大学, 経済学部, 准教授 (70743772)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード意思決定 / 知識 / ゲーム理論
研究実績の概要

昨年度までに引き続き、主に知識移転・共有のミクロ的基礎に関する基礎的な理論モデルの構築に取り組んだ。ここでいうミクロ的基礎とは、他者への知識移転を、個々の意思決定主体による意思決定の結果と捉えた場合の相互作用メカニズムを指す。特に、必然的に知識の提供者と受容者が関わるため、複数意思決定主体の相互作用を扱うゲーム理論が基礎となる。特に、知識の非対称性というテーマと相性が良いと考えられる、気付きの非対称性を考慮したゲーム理論の枠組みに関して、下記の検討を行った。
(1) 通常のゲーム理論と異なり、意思決定者が複数の意思決定基準を持つ(したがってベクトル値効用関数を持つ)多目的ゲームにおいて、 意思決定基準に関する気づきの非対称性を導入した理論モデルを整備した。まだ既存のゲーム理論の解概念の一つである合理化可能性をこのモデルに拡張し、その諸性質について検討した。知識移転の観点からは、現実の様々な状況において、意思決定基準の認識に関するコミュニケーションや情報伝達は広く見られるものであり、その基本モデル候補として位置付けられる。
(2) 戦略集合に関する気づきの非対称性を含むゲーム理論モデルにおいて、従来、定常状態としての均衡概念の議論が必ずしも十分になされていなかったが、これを克服するものとして、合理化可能自己確証均衡を定義し、その認識論的特徴付けを行なった。
これらの成果に関して、査読付き論文誌へ論文を投稿し、現在審査中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの社会的影響により研究活動のための時間が十分に確保できなかったため(遠隔授業への対応、緊急事態宣言下での保育園休園による育児負担の増加など)

今後の研究の推進方策

最終年度である次年度は、これまでに構築した知識の非対称性がある状況に関する基礎的な理論モデルにもとづき、より明示的に知識移転を意思決定の文脈に位置付けて検討したい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響により、当初想定していた学会参加等のための旅費の支出が全くなかったため。

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公開日: 2021-12-27  

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