船舶事故原因の79%は人的要因によるものと報告されており,その原因の一つには疲労がある.本研究の目的は,操船の妨げになることなく,遠隔で操船者の肉体的疲労度を測定し,肉体的疲労度が危険領域に達した際にアラームを発信する,人工知能を用いた操船者の肉体的疲労を対象とした遠隔アラームシステムの開発である.本研究では,生体の肉体的疲労度をエネルギー消費量として捉え,操船者の肉体的疲労度の予測に有効な指標を検討した.AIを用いた操船者の肉体的疲労度の予測には,腰部の動揺と重心動揺が重要な指標である可能性を明らかにした.
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