本研究では,どの手術室でいつ手術を開始するかを決定する手術室のスケジューリング問題を解いた.具体的には,手術時間の不確実性を考慮した確率計画モデルを提案した.本モデルでは予定の手術時間から大幅に遅れるリスクを条件付きバリュー・アット・リスク(CVaR)を用いて表現した.実データを用いた数値実験より提案モデルの有効性を評価した.結果より,CVaRと遅延時間の期待値を考慮することで全手術の遅延時間を削減しつつ,遅延リスクを避けるスケジュールが実現可能であることがわかった.手術室の管理方法として,遅延リスクを避けるためには手術時間の標準偏差が小さい手術順に行うなどの知見を得た.
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