本研究課題は、落雷前に雷雲内に生成される電荷(以下、雲内電荷)の定量把握による発雷予測法を開発するものである。回転型静電界計測器を独自開発し、栃木県域に計12機を展開した。同域における空間的に孤立した雷雲(以下、孤立雲)に伴う地上静電界の水平分布を多点計測した。孤立雲内に単純な電荷構造を仮定し、静電界の水平分布より雲内電荷の時間変化を1秒分解能で定量推定することに世界に先駆けて成功した。雲内電荷の盛衰監視に基づいた発雷予測技術の開発基盤を確立し、発雷直前予測に有効と考えられる発雷直前における雲内電荷の特徴的変化を検出した。ただし、孤立雲の取得事例が少数であり、観測事例の積み増しは必須である。
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