研究課題
本年度は下記の研究成果を得られた:1. 全反射高速陽電子回折法(TRHEPD)放射光分光技術を用いて、グラフェン/ホイスラー合金ヘテロ構造の界面の層間距離を測った。その結果、グラフェン/ホイスラー合金ヘテロ構造の界面の層間距離はグラフェンと他の強磁性金属(コバルトやニッケル)からなる積層材料の場合(約0.20nm)と比較して著しく大きく約0.33nmであった。グラフェン/ホイスラー合金ヘテロ構造は弱いファンデルワールス力により結合することが示唆された。第一原理計算の結果と一致する。2.スピン偏極陽電子消滅法を用いて、グラフェン/ホイスラー合金積層材料表面のスピン偏極状態を調べた。その結果、グラフェン/ホイスラー合金積層材料で僅かなスピン非対称率しか観測されなかった。グラフェンの電子状態に対するホイスラー合金の影響が少なく、グラフェンの本来の電子状態が保たれているためと考えられる。3.ホイスラー合金薄膜の表面に単層二次元物質六方晶窒化ホウ素(h-BN)を100%の被覆率で成長する技術を確立した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
Physical Review Letters
巻: 126 ページ: 186401
10.1103/PhysRevLett.126.186401
Surface Science
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