本研究では、従来Ca融点(850℃)以上まで加熱する必要があった還元拡散法について、新たに溶融塩を加えることで、Ca融点以下でも還元拡散反応による希土類-遷移金属合金粉末の合成が可能な低温還元拡散法の開発を行った。研究当初としては針状の希土類-遷移金属合金粉末を合成することを第一目的としていたが、研究の中で低温還元拡散法によって準安定相であるTbCu7構造Sm-Feが合成できることが明らかとなった。さらには、合成したTbCu7構造Sm-Fe粒子は単結晶粒子であることが分かった。本研究によりNd-Fe-B磁石を超える磁石製造プロセスの新たな候補を見出すことができた。
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