ナトリウムおよびカリウム添加炭酸アパタイトについて,欠陥構造の探索およびイオン伝導機構の解析を行った. ドーパントと炭酸はアパタイト中で会合した複合欠陥を形成しており,また,リン酸の四面体中の面の1つを炭酸が置換することで,リン酸中の酸素サイトに空隙が存在することがわかった. 上記構造を基に初期構造を作成して第一原理分子動力学を実施した結果,水酸化物イオンが炭酸イオン置換により生成した空隙位置に移動していることがわかった.それに伴いその他の水酸化物イオンがc軸上に広く分布していた.この水酸化物イオンの移動および分布の広がりが,アパタイト中でのイオン伝導に寄与していることが示唆された.
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