カーボンドット(C-dots)とよばれる蛍光性ナノカーボンは、構造に由来する特異な発光特性を示すが、構造が複雑で分布があるため、蛍光原因の理解が困難である。そこで本研究では、C-dotsの蛍光に及ぼす表面構造の寄与について実験的に検証した。表面特性の異なるC-dotsを作製し、表面を有機シランで化学修飾することで状態変化させ、蛍光挙動との関係を調査した。表面反応サイトの割合が異なるC-dotsに対し、化学修飾すると蛍光がブルーシフトしたが、励起・蛍光波長シフト量は同じであることが明らかとなった。すなわち、表面状態が異なるC-dotsであっても蛍光に関与する部分構造は共通であることが示唆された。
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