2-メルカプトピリジル基は,周囲の環境に応じて化学構造を変えることが知られる.本研究では,この官能基を世界で初めてUV接着材料中に導入し,その接着強度向上への効果を検証した.その結果, 同官能基を含まない試料に比べ,銅基板に対して強く接着することがわかった.せん断応力の最大値としては,ガラス基板どうしの接着において8.8 MPaを得た.さらに,接着層と基板の界面や接着層中における化学構造について詳細に調べた.たとえば基板がガラスと銅の場合で,その化学構造が変化していることを見出した.一方,接着層中では同官能基が酸化状態となることで架橋を形成し,接着層の凝集力を担保することが示唆された.
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