マグネシウム合金の擬似体液中における疲労特性に対する組織学的因子の影響の解明を試みた。その結果、底面配向度の向上や結晶粒微細化といった、降伏強度向上に寄与する組織学的因子は大気中の疲労強度および擬似体液中での低サイクル領域での疲労寿命向上に有効であった。一方で、両因子は局所分解の指標である破壊電位の低下につながり、局所分解を促進した。結果として高サイクル領域では、疲労寿命の低下に寄与した。したがって、生体内環境中での疲労特性向上には、大気中での疲労強度を向上すると同時に、局所分解を抑制しうる微細組織制御が重要である。
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