研究課題
若手研究
熱溶融積層方式の3D プリンタのヒートノズルを400 ℃程度まで加熱できるように改良し,造形条件の検討をすることで,生体材料の一種であるポリエーテルエーテルケトンの造形体を作製することに成功した.造形条件のひとつであるヒートノズルの走査速度を変化させることで,ポリエーテルエーテルケトンの造形体の機械的強度に差異が認められた.示差走査熱量測定の結果,造形条件によって結晶化度および結晶の配向性が異なることを見出した.
生体材料
本研究の成果は,造形条件によって,生体材料の一種であるポリエーテルエーテルケトン造形体の結晶の配向性や結晶化度を制御できることおよびそれを利用してポリエーテルエーテルケトン造形体の機械的性質を制御できる可能性を示唆している.生体骨は,個々形状が異なり,機械的性質は異方性であるため,3D プリンタの得意とする形状コントロールと結晶の配向性を制御できる材質コントロールを同時にできることは社会的意義が大きい.