研究課題
若手研究
軽く、丈夫なマグネシウム合金は、鉄鋼やアルミ合金と比較して塑性変形(曲げ伸ばし)において割れやすく、製品の形状に加工することが難しいという欠点を持つ。ところが本研究ではカルシウム添加マグネシウム合金を200~300℃程度まで加熱すると、他材料を凌駕する延性を示すことが明らかになった。変形する部分だけを加熱する変形治具を工夫することにより、わずかなエネルギーでの加熱で、大きな塑性変形が与えられるようになることが分かった。
金属組織学
軽量高強度のマグネシウム合金の利用拡大は、自動車・鉄道車両などの軽量化に寄与し、二酸化炭素排出量の低下に貢献できる。本研究はマグネシウム合金の「形を作る」プロセスを提案することで、この社会的課題に対するアプローチを示しました。学術的な観点からは、高温でのマグネシウム合金の延性改善メカニズムが、鉄鋼やアルミニウム合金とは異なる現象に起因していることを明らかにした。これについてはまだ不明な点が多いですが、今後の研究によって、「延性に乏しくすぐ割れる」というマグネシウム合金の常識を覆す可能性がある。