シクロデキストリン(CD)を側鎖に有する感温性ポリマーに蛍光色素分子であるベンゾキサジアゾール(BD)を共重合することで、これまで知られていた分子認識による凝集温度のシフトではなく、ポリマー鎖の凝集抑制という新奇な現象を見出した。計算化学的解析により、CD内部へのBDの包接で架橋構造が形成したために当現象が発現したと推察された。さらに蛍光色素の認識を駆動力とする当現象を膜型センシング材料へと展開した。膜細孔内に2本鎖DNAを側鎖に有する感温性ポリマーを固定化し、DNAの塩基対間に蛍光色素を挿入しDNAの分子間反発を切り替えることで、膜細孔の開閉を誘起することに成功した。
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