研究課題
若手研究
分子サイズの穴を持つ結晶である多孔性配位高分子(PCP)を1ミクロン以下の薄さで隙間なく膜状にしたものは、分子が膜を通過する速度の差を利用した物質の分離精製に利用できることから盛んに研究されている。これまでのPCPを用いた膜はPCPの向きがランダムなものであったが、本研究ではPCPを剥離してナノシートとし、それを再積層させることで、PCPおよび穴の向きが一方方向に揃った膜を作成できた。さらに、環境によって穴の大きさを変えるPCPが、この成膜方法でその性質を保っていることを明らかにした。
無機化学
これまでガスの分離膜は一定の大きさの穴を持っており、分子のサイズの違いによってこの穴を通れるか否か、が分離の鍵となっていた。これに対して本研究では、環境により大きさを変化させられる穴を持つ新しい材料を用いた膜の作成を行った。この材料が、膜化しても元の性質を失わないことを示したことで、既存の膜では分離が困難であった物質の分離を可能にするための礎になると期待される。