本研究では,超臨界含浸法による金属担持触媒創製プロセスの設計へ向け,超臨界二酸化炭素(CO2)中における金属前駆体のバルク空間及びナノ空間における平衡物性,具体的には金属前駆体溶解度及び吸着平衡の定量的把握について検討した.摂動論型状態式による溶解度の推算及びメソポーラスシリカへの吸着平衡のモデリングに成功し,超臨界CO2を用いた金属担持多孔質材料調製プロセスに向けた定量的知見を獲得することができた.今後は他種の金属前駆体や担体種における実験データ獲得を含めた検討,極性項の導入などによるモデリング手法の改善,また実際の金属担持触媒調整プロセスとの関連性に関するより詳細な検討が必要である.
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