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2019 年度 実績報告書

その場分析による自動車排ガス浄化触媒の動的挙動解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K14055
研究機関京都大学

研究代表者

朝倉 博行  京都大学, 実験と理論計算科学のインタープレイによる触媒・電池の元素戦略研究拠点ユニット, 特定講師 (40631974)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード自動車排ガス浄化触媒 / 三元触媒
研究実績の概要

自動車エンジンから排出される炭化水素や一酸化炭素,窒素酸化物などの有害物質は三元触媒を用いることで二酸化炭素および窒素へと変換・浄化されている.三元触媒にはRh, Pd, Ptなどの貴金属元素が利用されてきたが,資源の希少性の問題から卑金属元素への置き換えが期待されている.これまでにCuとNiを利用した二元系触媒が三元触媒反応に高い活性を示すことを見いだしている.しかし,貴金属触媒に比べて350度以下の低温領域で活性が著しく低い,また,酸化されやすい卑金属元素が反応中にどのように酸化・還元・凝集・分散しているか不明であるため,更なる高機能化の障害になっているという課題があった.
2019年度はCu-Ni触媒の低温領域における活性向上および反応中の触媒構造変化の解明を目指して研究を進めた.低温領域における活性向上のため,CuにNi以外の第二成分を組み合わせた二元系触媒およびCu-Ni触媒に第三成分を添加した三元系触媒の触媒活性を評価した結果,Cu-Ni触媒に第三成分としてFeを展開した系が高い活性を示すことを見いだした.Cu-Ni触媒はプロピレンの転化率の低さが問題であったが,Feの添加によりプロピレンの転化率が向上し,一酸化窒素の還元効率も向上させることを見いだした.このことは,炭化水素の吸着および酸化過程を促進することが低温領域での高活性化に重要であることを示している.一方,触媒反応中にX線吸収分光法を用いて卑金属元素の状態をリアルタイムで追跡した結果,酸素過剰条件下で酸化されたNiが,Cuの共存により酸素不足条件下に還元が促進されることを見いだした.この特長により,実環境の酸素濃度変動条件下においても高い活性が維持されることが期待される.これらの知見は卑金属系三元触媒の開発に寄与すると考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Self-regeneration of a Ni-Cu alloy catalyst during a three-way catalytic reaction2019

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Asakura, Tetsuo Onuki, Saburo Hosokawa, Nozomi Takagi, Shigeyoshi Sakaki, Kentaro Teramura, Tsunehiro Tanaka
    • 雑誌名

      Physical Chemistry Chemical Physics

      巻: 21 ページ: 18816~18822

    • DOI

      10.1039/C9CP01884K

    • 査読あり
  • [学会発表] 自動車排ガス浄化触媒を志向したNi-Cu合金触媒の酸化還元挙動2020

    • 著者名/発表者名
      朝倉博行,細川三郎,寺村謙太郎,田中庸裕
    • 学会等名
      第33回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
  • [学会発表] Redox behavior of Ni-Cu bimetallic alloy catalysts for automobile exhaust purification2019

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Asakura, Saburo Hosokawa, Kentaro Teramura, Nozomi Takagi, Shigeyoshi Sakaki, Tsunehiro Tanaka
    • 学会等名
      Materials Research Meeting 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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