非特異的ながら迅速かつ強固であるというAtaAの水中接着特性は他に類をみない。既知のメカニズムでは説明しくいAtaAの非特異的接着機構に関する知見は、生体分子と材料表面との相互作用を理解し制御する上で重要なものである。また、AtaAを利用することで細菌やペプチド、酵素、リポソームなどのバイオ材料を任意の材料表面に対して簡便に固定化・修飾できるため、その接着を理解することは応用技術の発展をもたらす。水中かつ温和な条件で取り扱う必要のあるバイオ材料のための新規固定化法として、バイオデバイス開発の加速を後押しすることが期待される。
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