GaAs量子ドット電子スピンの完全ベル測定の実現を目指し、その基盤技術として多値スピン読み出しに取り組んだ。試料作製が難航し、多値スピン読み出しの達成までは至らなかったが、高忠実度の単一スピン読み出しなどの構成要素技術を確立した。また、スピン閉塞効果を用いたスピン一重項とスピン三重項の判別手法について、従来のスピン-電荷変換および電荷状態変換による高忠実度化に加え、スピン励起状態の準安定化による更なる読み出し精度向上手法を発案し、その実証実験に成功した。さらにInAs自己形成量子ドットを用いて並列2重単一電子トランジスタを作製し、自己形成量子ドットでの単一電荷検出に世界で初めて成功した。
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