近年、いくつかの系で単一電子源が実現され、単一電子レベルで量子電子光学実験が行われ始めている。 その中で、本研究の表面弾性波を用いた手法は単一電子検出器も実装され、単発測定で実験が行えるという大きな特色を持つ。本研究の成果は、表面弾性波によって運ばれる単一飛行電子のコヒーレントな制御の実現に向けた重要な要素技術であり、単一飛行電子に対する単発測定によって非局所な量子もつれ状態の生成確認実験を行うなど、学術的に重要な実験に繋がるだけではなく、将来的には単一電子で動作する大規模な量子電子回路の実現に繋がり、量子情報処理の分野を通じて大きく社会に貢献していくものと考えられる。
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