| 研究課題/領域番号 |
18K14092
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| 研究機関 | 神戸大学 |
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研究代表者 |
杉本 泰 神戸大学, 工学研究科, 助教 (40793998)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 量子ドット / ドーピング / 半導体 / ナノ粒子 / コロイド |
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| 研究実績の概要 |
半導体量子ドットへの不純物ドーピング技術は、量子効果に起因する特性をさらに高度化するための有望な手段である。本研究では、不純物ドーピングに加えて化学ドーピングを量子ドットに適用した技術により、シリコン量子ドットの高機能化と新機能創出を実現することを目的としている。本年度は，個々のドーピング技術に関して実験的な検討を行い、以下のi)-v)の成果を得た。i)置換型不純物ドーピングに関して、不純物濃度制御による発光波長制御および発光効率の改善に成功した。ii)不純物ドープシリコン量子ドットの成長初期段階のラマン散乱スペクトルおよび透過型電子顕微鏡観察を行い、成長メカニズムに関して知見を得た。iii)NREL(アメリカ合衆国)のグループと共同で、フェムト秒過渡吸収分光法により不純物ドープシリコン量子ドットの光励起キャリアダイナミクスを調べ、量子ドット内の自由キャリアの有無とサイズの関係を明らかにした。iv)貧溶媒添加法によるサイズ分離技術により、シリコン量子ドットのサイズ分布を10%以下に抑制し、発光線幅の抑制に成功した。また、ドナー・アクセプタ対発光のピークエネルギーと再結合レートのサイズ依存性を定量的に決定した。v)化学ドーピングの基礎技術として、電子供与体である亜硫酸イオンを溶解した液中のシリコン量子ドットの発光特性を詳細に調べ、亜硫酸イオンから量子ドットへの電荷移動により光励起により生成した余剰キャリアを補償できることを明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、不純物ドープシリコン量子ドットの基礎物性解明に関して系統的な研究を実施し、置換型不純物ドープシリコン量子ドットの発光エネルギー・線幅・不純物準位に関する定量的な情報を実験的に得ることに成功した。また、独自の電子顕微鏡観察用試料を開発し、形成メカニズムに関する知見を得た。化学ドーピングについても、電子供与体との相互作用について、重要な基礎データを得た。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究経過は順調であり、当初計画に従って推進する。来年度は、構造物性解明と不純物ドーピングメカニズム解明のため、アトムプローブトモグラフィーによる原子スケールでの不純物分布解明と不純物濃度依存性について研究を行う。サイズ・不純物濃度と発光特性について、より発展的な研究を実施する。具体的には、サイズの範囲や不純物濃度制御範囲を拡大し、ゲル電気泳動法によるサイズ分離技術を開発する。化学ドーピングに関して、量子ドットへの電荷の注入メカニズムの把握が非常に重要であるため、電気化学的手法によるシリコン量子ドットの酸化還元準位の決定に関する実験を検討する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた、材料等の購入費が少なく済んだため。また次年度初期の開催の会議に変更したため、学会参加費、旅費が不要となったため。
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