スピン波を介した複数の磁化歳差運動位相同期制御手法の開発と高コヒーレントなスピン波発振源の創製を目指した。スピン波を励起する高周波電極として同一の幅の信号線とグランド線からなるスロット線路を用いたスピン波発生を検討した。高周波応答は大きな伝送線路形状依存性を示し、数値計算との比較からスピン波の位相同期現象によって磁化ダイナミクスが共鳴励起されることが示唆される結果を得た。さらに、素子から発生するスピン波の実験的な検出に成功し、スピン波干渉効果に起因すると考えられる特徴的な出力変化を検出した。これらの成果により、高コヒーレントスピン波発振源の設計指針が得られたといえる。
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