有機太陽電池は低製造コストなどの利点から、将来のエネルギー変換デバイスとして大きな注目を集めている。これまで主に高分子材料の開発によりその光電変換効率は向上してきたが、未だ単結晶SiやGaAsなどの無機太陽電池には及ばない。そこで本研究では超高移動度分子を用いて界面構造を制御することで、有機太陽電池の効率向上に向けた知見を得ることを目指した。その結果、再結合損失の抑制には発電が起こるドナー/アクセプター界面近傍の3分子層以下の非常に薄い領域の結晶性が重要だということを明らかにした。さらに最も高移動度で結晶性の高い分子を用いた場合では、電圧損失を高効率無機太陽電池と同等の水準まで抑制できた。
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