電子デバイス等の超微細化に伴う,電子ビームを用いた観察・分析装置に高い空間分解能とエネルギー分解能を実現するため,Crを陰極材料に用いた電界放出型電子源を開発し,放出電子のエネルギー幅を評価した。 超高真空下で,タングステン電界放出陰極上形成されたW{113}上の電子放出サイトの形成は,Cr微結晶の形成による局所的な電界増強因子の増大に起因することが明らかになった。放出電子のエネルギー幅は,放出電流の低下に伴って,1 eVから0.5 eVまで低下させることができた。Cr/Wスピン偏極電子源は,電子スピンとエネルギーのコヒーレント性を印加電圧によって切り替え可能な電子源であることが明らかになった。
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