研究課題/領域番号 |
18K14127
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
船津 麻美 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 助教 (00758956)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナノシート / 二次元 / 酸素還元触媒 / 電気化学 |
研究実績の概要 |
本研究では、比表面積の高いナノシート構造を持つ様々な材料{ヘテロナノシート(積層型・ドープ型)}を作製し、触媒能の評価法を確立する段階まで進める予定である。その際、分光学的な組成の決定および機能評価、量子化学計算なども駆使することで、ドーピング元素種や導入量、積層する組み合わせに起因する機能の発現と物性などについて幅広く探索し、系統的に検討することにより従来の酸素還元触媒(Pt/C等)を凌駕する触媒開発を行う。本研究は平成30-32年度の3年間で行うことを計画しており、平成30年度は、ナノシートの組合を追及するために、まずはベースとなるナノシートの作製方法を調査してきた。続いて、平成31年度(令和元年)は、昨年度までに調査してきたナノシートの各種合成に成功し、新しい母体の種類に応じた単層剥離化の検討を進め、それらの素材確認ができている。令和2年度は、これまでに合成してきたナノシートの組み合わせ検討及び、触媒能の評価方法として、燃料電池触媒特性として、酸素還元反応で触媒能を比較したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、新しいナノシートの種類に応じた、単層剥離方法の抽出に成功し、それらの物性確認ができたため、おおむね順調と判断した。またこれらのナノシートの評価方法として、単層ベースのものおよびバルク状態(まとまった状態)での評価方法の検討にも現在進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、単層化に成功したナノシートの複合化及び組み合わせ方法による新たな種類の創造及び、この電極固定化並びに電気化学触媒としての可能性を検討したいと考えている。まず、複合化では、単層同士の複合化、積層方法の種類を変えた複合化など様々考えている。更に、それらの構成に応じた評価を電気化学的なもので実施したいと考えており、電極化では、具体的に、ナノシートの種類と状態に応じた電極への固定化方法を検討する予定である。その状態に応じ、単層状態、積層状態、複合化状態のナノシートについて触媒活性を評価し、ナノシートの状態毎の比較を実施したいと考えている。更に、単層状態のナノシートでの評価は、AFM等の手段を用いその中で電気化学評価等によりナノシート1枚での評価方法も確立して行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた成膜化装置を初年度に、現存する装置で代替変更であることがわかったため、昨年度に研究を見直しし、研究経費の計画を変更したことにより変更がおきたことは昨年度報告している。本年度は、予定していた大型の成膜装置から研究に合わせた評価用装置として今年度凍結乾燥機を導入した(ナノシート材料のバルク評価用として)。更に次年度に、評価系の構築を計画しているが、この評価用に応じた治具設計費として次年度盛り込みたいと考えている。
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