研究課題
GaN(窒化ガリウム)のトランジスタや集積回路は、最高のシリコンMOSFETよりも大幅に高速化し、より小型になっている。これまではNチャンネル型AlGaN/GaN FETの開発が主に行われており、pチャンネル型素子が実現できれば、相補型MOS集積回路システム全体の大幅な低コスト・小型化が可能になる。本研究は、NチャネルAlGaN/GaNヘテロ構造上に、分極接合技術を利用した低抵抗InGaN/GaN ヘテロ構造Pチャネル型トランジスタと組み合わせて大きな駆動力を持ったワンチップ集積化を目指した。平成30年度は、MOCVDによる市販AlGaN/GaN-on-Siウェハの上に、InGaN/GaN ヘテロ構造を成功に成長した。InGaN/GaNヘテロ界面の急峻性、結晶性、組成制御、歪みの影響なとの事項について検討した。また、p型の実証に成功した。MOS界面の欠陥を低減するために、表面処理技術及び新規絶縁ゲート膜(CaF2やSiNx)を開発した。二段階の表面処理法を利用して、界面欠陥は大きな減少した。CaF2やSiNx 絶縁ゲート膜を利用したMIS界面はMOS界面より、界面準位密度と捕獲電荷は1約1桁を減少した。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記載した研究実施計に従って順調に進んでいます.
1)MOCVDによる、降温制御の手法を用いて、InGaN系応力制御、格子緩和度および不純物混入に与える影響を調べる。分極接合ウエハにおけるInGaN/GaNヘテロ界面の2次元正孔ガス(2DHG)の発生メカニズムを明らかにする。2)Pチャネル型MOSFETの動作を実証する。精密ICPエッチング技術を開発し、オーミック電極およびゲート電極の設計して、nチャネルとpチャネルを組み合わせ。3)CMOS集積回路の設計と性能測定する。主に、デバイスの信頼性を向上する。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
Optics Express
巻: 27 ページ: 8935~8935
https://doi.org/10.1364/OE.27.008935
Advanced Electronic Materials
巻: 1 ページ: 1800832~1800832
DOI: 10.1002/aelm.201800832
Applied Sciences
巻: 9 ページ: 1746~1746
https://doi.org/10.3390/app9091746
Journal of Applied Physics
巻: 123 ページ: 161423~161423
https://doi.org/10.1063/1.5010952
Journal of Alloys and Compounds
巻: 767 ページ: 600~605
https://doi.org/10.1016/j.jallcom.2018.07.150
Journal of Physics D: Applied Physics
巻: 52 ページ: 085105~085105
DOI: 10.1088/1361-6463/aaf5ba
Physical Review Materials
巻: 2 ページ: 090601
DOI: 10.1103/PhysRevMaterials.2.090601